セーラー服
「……なんかすげえ思考だな」
我ながら突飛な発想が出て来たものだ。これも捻くれたアウトローの為せる業か?
「……何をしているの?」
ビクッ! と昇は両肩を竦める。
よく澄んだソプラノが背後から聞こえたのだが……
「お、驚かさないで下さいよ!」
「……どうして驚いたの?」
唐突な知り合いの出現によって心臓がバクバクと鳴る胸を押さえつつ玲於奈から離れた昇だが、彼女としてはどうして昇が驚いたのか理解しかねているようで、ほんの僅かだが眉が弧を描いている。
「っつうか、今日は学校ないですよ?」
昇がそう言ったのは、玲於奈の服装が登校時のセーラー服だったからだ。
「知っているわ。日本も週五日制になったのよね」
頷きつつ解答する玲於奈だが、昇としては疑問が深まるばかり。
「じゃあ、どうして制服なんすか?」
「着ていく服が、これしかないからよ」
それがどうかしたの、とでも言いたそうな表情で玲於奈は昇の顔を見やる。
今時、何でも揃うこの日本で、着る服がセーラー服しかないという人も珍しい。これ一着だけだろうか。それともどこかの漫画のキャラみたいに同じ服が数着あるのだろうか。そんな事を考えながら手を額にやり、首を横に力無く振りながら昇はこう呟いた。