三日月の絆その4

はしる

はしる

はしる。はしる。

 ぼくは、はしる。

いつものくさっぱらで、『おぼうさん』をまつために。

 おぼうさんは、いつもぼくがきたあとにくる。

 いままでいっかいも、おぼうさんがさきにきたことはない。

 でも、いつもぼくはあそこまではしっていく。

 だって、おぼうさんは、ぼくを『けっかんひん』だとおもっていない。

 ちょっとこわいけど、いえのひとのようなつめたいめはしない。

 なにより、おとうさんみたいだから、あのひとは。

 だから、はしる。

 すこしでも、ながくおはなしをしたいから。

 すこしでも、はやくあいたいから。

 さかみちにきて、ぼくはあるきはじめた。

 ここまでくれば、あともうすこし。

 ぼうぼうとはえたくさが、かぜでゆれている。 

うえをみあげると、かけたおつきさまがぼくをてらしていた。

「……きれいだなぁ」

ぼくは、みたままのことをしゃべった。

きょうの、かけたおつきさまは。

どうしてか、とてもきれいに。

とても、かなしそうにみえた。

おつきさまをみあげていると、ざっ、ざっ、て、あしおとがきこえてくる。

「待たせたな、小僧」

 おつきさまのひかりをあびているおぼうさんは、ぜんぜん、いつもとかわらない。

 でも。やっぱりぼくには、かなしそうにみえたんだ。